「誰かを正せるほど、正しいやつはいない」“作家”、そして“芸人”又吉直樹を貫く世界観
Q5.作家の執筆と、芸人のネタ作り、共通点はありますか?
作家又吉と芸人又吉どっちの方が大変?
――そこにはこだわりといいますか、何かメッセージ的なものがあるのでしょうか。
又吉 小説でもそうですけど、「誰が正しい」とか「誰が間違っている」とかは言うつもりはないんですよ。ようは、完璧な人間、まともな人間なんていないって思っている部分があるんです。例えば、いわゆる“正論”を言う登場人物を出す時なら、ただ正論を言うだけじゃなくて、結局正論を言っているけどそれは「現代的な生き方というものを自分で模倣している」という愚かさやおかしさ、隙みたいなのは作っています。というか、意識しなくてもそのバランスは自然にとっていますね。
――小説とネタ、どちらが作っているときの「楽しさ」が強いですか?
又吉 難しい質問ですね。でも小説は書き始めるまでがめっちゃ楽しいんですよ。「どんなストーリーにしようか」とか考えている時間ですね。でも、いざ書き出すときはめっちゃしんどい。「うわ~どうやって書こう…」みたいな。
机の前で「どうしよう……」と悩むことは多いんですけど、小説は一度書き始めると途中で降りられない。反対に10分のお笑いのネタだったら、途中まで書いていてもボツにして一から作れるんですよ。煮詰まったらワクワクする設定をもう一度探してくることもできますが、小説ではそれはなかなか難しい。そのせいで、書いている途中でも、「本当にちゃんと面白く終わるのかな……」と考えちゃうんですよね。すると、モチベーションが一気に下がってしまう(笑)。
――順調に筆が進んでいる最中でも悩むんですね。
又吉 なので、マイナスなことはもう考えないようにしていましたね。でも、そうやってめっちゃ悩むときがある一方で、何かが乗り移ったように筆が進むときもある。自分が自分じゃないような感覚ですけど、そのときは楽しい。でもまあ、トータルで見たときに楽しいのはお笑いのネタですかね。単純には比べられないですけど、小説って原稿用紙250~300枚の世界。でもネタは原稿用紙でいったら5~6枚ですから。しんどさが違うのかなと。
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【会場】よみうりホール(東京都千代田区有楽町1−11−1 読売会館)
【日時】2017年9月 9日(土)開演 18:30
9月10日(日)開演 18:00
【出演】ピース・又吉直樹 グランジ・五明拓弥、しずる、ライス、サルゴリラ、 囲碁将棋・根建太一、ゆったり感・中村英将、 井下好井・好井まさお、パンサー・向井慧、スパイク・小川暖奈
【料金】前売6,000円/当日6,500円(税込・全席指定)
【会場】よみうりホール(東京都千代田区有楽町1−11−1 読売会館)
【日時】2017年9月10日(日)開演 13:30
【出演】ピース・又吉直樹 グランジ・五明拓弥、しずる・村上純
【料金】前売3,000円/当日3,500円(税込・全席指定)